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第35回公開ディスカッションを開催されました。

第35回公開フォーラム開催

 

第35回公開フォーラム開催

去る7月10日、日本医科大学橘桜会館において21世紀医療課題委員会主催による『第35回公開フォーラム~蘇るか、新しい医療ツーリズム その課題を考える~』が開催された。第一部では、株式会社ジェイティービー ジャパン・メディカル&ヘルスツーリズムセンター長 高橋伸佳氏や日本医科大学健診センター長 百崎眞氏などから医療ツーリズムの現状に関しての講演、第二部では、第一部の演者を中心に来場者参加型のパネルディスカッション形式での活発な意見交換が行われた。

最後に今後の医療ツーリズムを牽引する「未病ツーリズムと地域創生」の研究を継続していくことが、採択され今回の公開フォーラムは閉幕された。

当日の出席者は医療関係者を中心に75名であった。

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21世紀医療課題委員会 世話人代表 福生吉裕

第35回 21世紀医療課題委員会  (会議内容要旨)

  • 医療の国際化における現状と課題

株式会社ジェイティービー ジャパン・メディカル&ヘルスツーリズム センター長  高橋 伸佳

日本における国際医療交流(メディカルツーリズム)が活発化してきた、と冒頭で説明、紹介をした。

dsc_0013また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの関係もあり、国内の医療機関においては、JCI(Joint Commission International)やJMIP(外国人患者受入れ医療機関認証制度)といった国際的な医療機能評価や外国人受入れ認証の取得をはじめ、国際医療体制の構築など、外国人患者の受入れ機運が高まってきていると、付け加えた。

一方、訪日インバウンドが拡大する中で、医療コーディネーターやファシリテーターといった国際医療ビジネスに参入する事業者が急増していると、現状の市場を分析、紹介をした。そして、さらに取引が活発化する中で、様々な問題も発生してきているのが現状であると、強調した。

また、政府は「日本国際病院」というマスターブランド戦略をとり、日本の医療機関が一丸となって国際化を進めていく方針を打ち出し、準備をはじめているとも補足説明を加えた。そんな中で医療コーディネーター、ファシリテーターにおいては、「医療渡航支援企業」という概念を構築し、一定のルールとクオリティを保つことができる事業者を選定する取組みが始まっていると、最後に付け加えた。

2)「中国メディカルツーリズムにおける勘違いによるトラブルの対策と目指すべき形」  

ココチプラス株式会社 山口 留生

この 現場から見る現状と、実際のメディカルツーリズムに対する双方の満足度のギャップを考え、日本におけるメディカルdsc_0034ツーリズムを盛り上げていくためには「どのように対応すべきか?」と、課題点を提起した。

第一の問題点は、金銭面及び価値観・文化などに対する勘違いを指摘した。

また、日本人の本音と中国人の本音には温度差があるとも強調した。

加えて、第二の問題点は、現実に起こっているトラブルとその対処法については、「なぜ中国のお客様は怒ったのか?」「時間が守れないのは何故なのか?」など、伝える事の大切さと伝え方について補足説明を加えた。

そして最後に、今後望ましいと思われることは、「差別化とは値段でもなければ、内容でもない」いうならば、「心・技・体」のトータルバランスであると、自論を語った。

3) 「医療ツーリズムの現状と課題」

日本医科大学 健康医療健診センター  事務局長  百崎 眞

日本医科大学健診医療センターは、PET検査を中心とした画像検査施設として、2006年に設立されたとセンターの紹介をした。

dsc_0049現在は、検査開始からちょうど10年経過したところであると補足説明をした。

そして、付属病院の検査部門ではなく、独立した施設である、と付け加えた。

特色としては、臨床検査のみならず、PET検診も行っており、この検診を受けるため、5、6年ほど前から中国人を中心とした、外国の方が多数来られるようになったことも補足をした。 現在では年間500名を超える検査実績があると説明を加えた。

このころ、日本政府の成長戦略にいわいる訪日医療=医療ツーリズムが掲げられたこともあり、観光庁の依頼に基づき、医療を目的とする外国人訪日促進の取り組みをサポートしたりして、医療機関の立場として、「どういった体制構築をするのがよいのか」を考えてきた。

結論として、外国人受診者、医療機関双方の満足度が高いのは、「紹介・橋渡しをする方々が、いろいろとお勉強していただいたうえで訪日医療をご提案いただいているケースが多いということ」でしたと、さらに付け加えた。

そのような業者さんが、「受診者の希望を聞き、検査、診療内容、診療費について説明→納得、日程を調整し、来日してもらうということ」でした。そして、当日もエスコートをして、医療機関と顧客双方に気配りをする。 もちろん「医療通訳」は、必須ですとさらに強調した。

現状ではとりあえず、「これが一番理想的なのでは」ということで、当センターでは、外部業者に外国人窓口を委託契約をすることとし、現在に至っていると、これまでの経緯を具体的な事例の中で説明をした。

また講演では、実績の推移や過去のトラブルなども紹介をした。

4)判例等から検討する医療ツーリズムにおいて生じうる法律問題

伊藤法律特許事務所  弁護士 伊藤 卓

これまで、医療ツーリズムに関する法律問題に関して、裁判等により正面から争われた事例はほとんどなく、その内容についても必ずしも公開されていないと冒頭で説明をした。

dsc_0063しかし、日本への医療ツーリズムが日常的になるにつれ、大小の法律問題が顕在化することが予想される、と警鐘を鳴らした。そこで、過去の医療過誤事件及び旅行会社の責任追及事件を通じて、今後生じうることが予想される医療機関及び旅行会社(仲介会社)の法的リスクについて下記の2判例を事例を交えながら紹介した。

(1)医療機関の注意義務については、

医療ツーリズムにおける健康診断は、人間ドックに類似することから、「人間ドッグの検査結果に誤診があった場合の医療機関に対する損害賠償請求の裁判例(東京地裁 平成4年10月26日判決、東京高裁 平成13年3月28日判決)」を取り上げ、医療機関の注意義務について具体的な判例を基に、検討をした。

(2)旅行会社(仲介会社)の注意義務については、

「海外旅行の主催旅行の実施中に交通事故が発生した場合の旅行会社に対する裁判例(東京地裁 平成元年6月20日判決)」を取り上げ、旅行会社(仲介会社)の注意義務などについて検討した。

■第二部 パネルディスカッション

21世紀医療課題委員会・福生吉裕世話人代表がファシリテーターとなり、第一部の演者に加え一般社団法人日中経済交流協会理事・谷本卓美氏と主催者を代表して当委員会副代表・安達耕一がパネラーとして参加した。一般来場者からも広く質問・意見を求める形でパネルディスカッションが展開された。

会場の特に、中国人参加者からは「なぜ日本の医療機関での受診が人気があるのか」「日本での健診の値段」などについて意見が出された。

また、これから医療ツーリズムビジネスを開始しようとする人たちからは「海外とのビジネスを開始する際の注意点」「国際的な契約書の作成方法」「中国での集客方法」「医療通訳の必要性」などについての質問があり、パネラーからは現実的な回答が行われた。

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(左から安達副代表、谷本氏、伊藤氏、百崎氏、山口氏、高橋氏、福生代表)

この件についてのお問い合わせ

21世紀医療課題委員会 事務局

中村 眞司(090-3104-4840)

村上 卓也(070-5582-0319)

http://21c-mac.com/

21世紀医療課題委員会とは

21世紀医療課題委員会とは、医療環境における課題をテーマにとりあげ、主催者と参加者の集合知による公開討議を行い、各方面に対し課題解決を提起する委員会です。

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